森鴎外はキラキラネーム元祖!?

みなさん、このダンディなヒゲのおじさん(失礼な表現、すみません)を知っていますか?


彼の名前は「森鴎外(もり おうがい」
ロマン主義の文学活動を主とし、明治時代に活躍した文豪です。


代表作には
・舞姫
・うたかたの記
・高瀬舟

などがあります。

東大医学部の超エリート

文豪として知られる森鴎外の最終学歴は、なんと「東京大学医学部」なんですって。やはり天才は違いますね・・・


当時は「第一大学区医学校予科」と呼ばれていたようです。しかも驚くべきことに、当時ここに入学できる年齢は14歳だったそうですが、鴎外は年齢を逆サバ読みし、実際は12歳で入学をしています。


卒業後、医学の本場であるドイツに留学していますが、そこで大きな衝撃を受けた鴎外は、帰国後結婚&出産を迎えます。

世界(ドイツ)に通用する名前を・・・

森鴎外の本名は「森 林太郎(もり りんたろう」というのですが、ドイツ留学中、なかなか覚えてもらえなかったという苦い経験があるそうです。
正確には、ドイツの人たちが「りんたろう」という名前をなかなか発音できなかったのだとか・・・


これを受けて、鴎外は自身の子どもに世界で通用する名前を付けることになります。これがなかなかのキラキラネームなのです。

長男「於菟(おと)」→オットー

長女「茉莉(まり)」→マリー

次男「不律(ふりつ)」→フリッツ

次女「杏奴(あんぬ)」→アンヌ

三男「類(るい)」→ルイ



当時の日本ではなかなかお目にかかれない名前です。そして、長男「於菟」さんお子ども、つまり鴎外の孫もそれを受け継いでいます。

長男「真章(まくす)」→マークス

次男「富(とむ)」→トム

三男「礼於(れお)」→レオ

四男「樊須(はんす)」→ハンス

五男「常治(じょうじ」→ジョージ



うーん、さすがです。
ちなみに、長男「真章(まくす)」次男「富
(とむ)」は、祖父にあたる鴎外が名付けたのだそうです。

「舞姫」のあらすじ

せっかくの文豪を「キラキラネームの人」と覚えても仕方ありません。(書いたの私ですけど・・・)


代表作「舞姫」を読んだことのない人は、簡単にまとめたあらすじだけでも知っておくといいですよ。


主人公:豊太郎
ヒロイン:エリス


主人公の豊太郎はエリート、22歳でドイツに留学。そこで踊り子エリスと恋に落ちる。

しかし、これがきっかけで官僚の職を失う。友人である相沢の仲介で何とか就職するが、エリスと別れる約束をする。

しかし、別れることができずにダラダラ続き、エリスは豊太郎の子どもを妊娠。豊太郎はより一層将来に不安を覚えてしまう。

その後、「愛(エリス)をとるか、仕事をとるか」という選択に迫られ、悩み、豊太郎は意識不明の重体になる。

その間に、エリスは相沢から「豊太郎が別れようとしていること」「豊太郎は日本に帰国し仕事をしようとしていること」を聞かされ、発狂してしまう。

目が覚めた豊太郎は、発狂したエリスを見て、仕事をとる決心をする。

帰国後、豊太郎は出世を果たす。相沢に感謝しつつも、憎しみも抱いてしまう。


とまあ、こんなお話です。


気づきましたか?


豊太郎も森鴎外もドイツ留学しています。そう、このお話は実話ではないものの、鴎外の実体験に基づくお話だと言われています。


現に、エリスだと思われる女性も見つかっているようですが、彼女は発狂していません。


しかし、鴎外がドイツから帰国すると後を追うように来日し、鴎外の家族に説得されて、鴎外を諦め、ドイツに帰国しています。


衝撃的な体験をしていることは間違いないようです。

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