間違いやすい「ことわざ・慣用句」
「最近の若者は・・・」なんて言葉は使いたくないけど、日常生活を送る中で「ことわざ・慣用句」を使う機会って少ないですよね。
だからこそ、現代文を解きながら急遽登場すると、あたふたしてしまうものです。特に「出題」という観点から見れば、誤解されやすいことわざ・慣用句を生徒にぶつけてみたくなるものです。
今日は、軽く読んでいただきながら勉強にもなる、そんなブログにしてみたいと思います。
「情けは人のためならず」
〇「人に情けをかけて優しくしよう」
✖「情けをかけることはその人のためにならない」
日本語って難しいですね。「~ならず」と言われたら「そうじゃない」って意味にとらえちゃいますよね。これを機に正しく覚えましょう。
「浮き足立つ」
〇「不安や恐怖で落ち着かない」
✖「嬉しくて楽しみで落ち着かない」
何となくテンション高いイメージがありましたが、これも誤りです。
「明日デートだから、浮き足立ってるよ」は完全に間違っているわけです。
「気が置けない」
〇「気を使わないでいい」
✖「油断できない」
「あいつは何をするか分からないから、気が置けないよ・・・」なんて使い方は誤りです。
敵やライバルに対して使うよりは、親友などに使う素敵な表現なんですね。
「役不足」
〇「実力に対して役や仕事が軽い」
✖「役や仕事に対して実力不足」
大役を任されたときに謙遜して「いや~私では役不足ですよ・・・」なんて使い方をしたら、赤っ恥ですね。
正しい意味を知る人からしたら、「この人自信過剰なのかな」と思われてしまいます。
「檄を飛ばす」
〇「自分の意見を広める」
✖「励ます、気合を入れる」
「檄」という言葉は「激」とよく間違えられます。そのため、激しく叱咤激励する様子と混同してしまったのかもしれませんね。
どちらにしても「激しい」意味は含まれていません。
「割愛する」
〇「惜しいと思うものを手放す」
✖「不要なものを省略する」
説明をするときの省略で使うことが多いのではないでしょうか。TVなどでもシーンのカットに使われるので、誤用があるのかもしれません。
本来は「泣く泣く割愛する」ものなんですね。
「煮詰まる」
〇「議論が十分になされ、結論寸前の様子」
✖「議論に行き詰って困る様子」
実際は順調に進んでいる様子を表す言葉なんですね。「詰まる」という言葉から、どうしても「行き詰まり」を連想しがちです。注意しましょう。
他にもたくさんの誤用がありそうです。しかし、言葉は時代の流れとともに変化するもの。
そして新しい言葉は常に若者から発信されています。新しい時代をつくっていくみなさんがどんな言葉を生み出していくのか楽しみですね。
でも、とりあえずは入試のために、先輩方がつくってきた時代と言葉を(現時点で)正しく覚えておきましょう。